【現場の設計図】絶対に消えてはいけない線。墨出しとは。

みなさま、こんにちは!
KOMOREBINOOK新人の檀浦です。

9月になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
朝晩冷え込む様になりましたね!
私は先週から倉庫をギャラリーとして活用していきたいお客様のリノベーション工事がスタートし、墨出しに行ってきました!

今回は物件ができるまで!シリーズ第二弾ということで新築・リノベーション工事問わず行う“墨出し”についてご紹介します!

新築に比べて、リノベーションは既存の建物を使っていくため寸法や状態が完全でない場合が多いです。そのため経験知識を要するリノベーションの墨出しはどのようにしていくのでしょうか。。。

  • 目次
  • 1.墨出しとは?
  • 2.墨出し手順

墨出しとは?

さっそくですが、現場の設計図と言われる“墨出し”とは?
データや紙での設計図を実寸サイズで建物本体にレーザーと墨壺を用いて、施工に必要な基準線を出していく作業になります。

なぜ墨なのか?
東南アジアでは古くから墨は水に強く耐久性のある記録材として使用されてきました。
その中でも書いた線が滲みにくいことから建物の墨出しとして使用されて来ました。
墨壺の中に入っている墨は書道用ではなく、建築用の墨汁であり固まり易いです。

墨出しレーザー外見

主に現場監督が行うことが多く、職人さんの作業性や一つ一つ部材の寸法、特性を考えながら、墨を出していきます。

現場では、
「図面の寸法とこの墨あってるよね?」
「この墨より少しふかして建てるね」(意味:この墨より前に出して建てるね)
など、墨を中心に現場は回っております。

墨出し手順

ではどのような手順で行うのでしょうか。
まず使う道具は以下2つになります。
・墨出しレーザー 
・墨壺

墨出しレーザー
▲墨出しレーザー

振り子の原理で水平・垂直を定めて、レーザー線を多方向に照射することができる測量機器、墨出しレーザー。
レーザー内の振り子が静止した際に、水平・垂直線を打ち出すので振動にとても弱いです!現場内を移動する際は必ず電源を切り、取り扱いには要注意です!

墨壺のイメージ
▲墨壺

墨壺は糸と墨汁を使って直線をができる工具。糸を張ることで墨を出したい面に対して水平な線で墨を出すことができます。
まず基準線を出していきます。

店舗内装前のスケルトン

基準線とは、建物を建てる際に基準となる水平、垂直な直線であり、この線から壁や床天井への寸法を出していきます。

今回の物件は何度か改装工事をされており、建てた当初の基準線が見当たらないため、水平である地点を探し、その線を基準線として墨出しをしていきます。

まず敷地前のブロックで確認していきます。
糸を張ることでで水平かどうかを確認していきます。
黄色いの線からブロックが出ていないのでこのブロックが並んでいる地点は水平であると判断ができます。

糸を張って水平か確認

又、黄色の線から線が垂直かどうか水平機を使って垂直であること確認し、先程線を引っ張った地点からスケールを使って、基準線を屋内に出していきます。
水平機の中の気泡が線の内側に収まっていることが水平であるサインになります。

水平機を使って垂直であることを確認

次に墨壺を使って出して墨を打って行きます。糸を指の腹に巻きつけて先ほどのようにピンとなるまで強く張ります。(これだけは毎回指千切れるんじゃない?って思うくらい痛いです)

墨壺を使って墨を打って行きます。

そうするとこんな感じで床に墨が出ます。

床に墨がついた所

ふぅ、やっと基準線が出ましたね!この線を基準に寸法に沿って墨を打っていきます。
一つ線を引くにも水平垂直を確認することが絶対条件になりますがこの工程がないと建物が四角ではなく極端な話、意図せず台形のような間取りになってしまいます。
この建物の歪みベテランの方でも目視では気づきにくく、調べてみないとわからないことが多いです。

リノベーションしてみたいけど、そもそもできるのかな?
壁壊して広いスペースで生活したい
空きスペースを有効活用したいけど、何から始めればいいんだろう
実家がそろそろ壊れるんじゃないか?

と思った方、該当しない方でもご気軽にご相談ください♪

ではまた!

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